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2013.09.11

法定耐用年数を経過した建物の相続税評価額 ~固定資産税評価額の20%残存価額の欠点

今日は、法定耐用年数をすべて経過した建物の相続税評価額がどうなるか検討しました。


財産評価基本通達では、建物の相続税評価額は「固定資産税評価額」とするとされており、法定耐用年数をすべて経過したものであっても、市役所で評価証明書を取得し、それに記載されている固定資産税評価額で申告するのがほとんどです。


しかし、今年、固定資産税評価額の評価方法を規定している固定資産評価基準を勉強したので、ちょった待った!です。。。


建物の固定資産税評価額がどのように付されるのか、その特徴は、主に3点あります。

(1)固定資産税評価額は、建築費のおおよそ50~60%

(2)定額法償却

(3)残存価額を20%とする(つまり、減価償却は80%しかしないということ)


たとえば、1億円で建物を建築した場合、最初の固定資産税評価額は5,000万円、そしてこの5,000万円をベースに定額法償却していきますが、残存価額は1,000万円ですので、4,000万円の減価償却が終われば、そのあとは何十年経過しようが固定資産税評価額は1,000万円として残すという仕組みです!


固定資産税評価額は建築費のおおむね50%から60%水準とスタート時点でかなり圧縮されているので、新築当初は固定資産税評価額で評価しても何ら不利な点はありません。また、固定資産税評価額は定額法償却となりますが、これもスタートの固定資産税評価額が相当圧縮された水準からのスタートになるため、定額法償却であっても不利な点はありません。


しかし、法定耐用年数がすべて経過した建物については、問題があります。固定資産税評価額は20%残存価額が残ってしまう点です。5,000万円の固定資産税評価額でスタートとして、法定耐用年数を何十年経過しても1,000万円の評価額が残ってしまうということです。


20%残存価額を残すのは固定資産税の課税目的上の合理性があるためであり、それと相続税の評価額とは何ら関連がありません。したがって、相続税評価額として20%残存価額で評価するのは不合理であるといえます。


では、この場合どのような評価方法があるかですが、参考にできるのが、固定資産税評価額が付されていない建物の評価の仕方です。それは、建物の建築費から経過年数に応ずる償却費相当額(定率法)を控除した価額の70%に相当する金額とすることが認められています。


建築費から償却を開始するため、耐用年数の大半が経過しなければ固定資産税評価額よりも相当高い評価額になってしまいますが、しかし、(1)定率法での償却が認められること、(2)固定資産税評価額と違い20%残存価額で償却で打ち切られることがないこと、が大きなメリットです。先ほどの例であれば、1,000万円の評価額で相続税申告することはありません。


納税者の方の「こんなボロボロなのに、固定資産税評価額はそんなにあるの。。。。」の一言から始まった事例です。

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