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2013.10.10

貸駐車場の相続税評価 ~賃借権相当を引くことができるか

二次相続対策の依頼を受け、お父さんが亡くなった際の一次相続の相続税申告書を見せてもらいました。


他の税理士事務所の作成した申告書を見ると驚きが多数あります。まず、自宅が580㎡、貸駐車場が450㎡あり、最寄りの駅からは相当離れていて、住宅地図を見ても確実に戸建住宅エリアです。

近隣におそらく他の地主さんが相続の際に不動産業者に売却したのであろうと思われるような開発道路を入れて戸建分譲した住宅群があちらこちらにあります。


だれがどう見ても広大地評価の適用が可能なわけですよ。広大地評価が適用できれば、500㎡の土地で42.5%評価額を下げることができます。1億円の土地が、4,250万円の評価額に下がります。


しかし、当初申告はどうしていたのかというと、広大地評価を適用せず、単に路線価に地積を乗じて、1億円で申告です。税率20%だと1,150万円もの相続税を余分に納付しているわけです。


当然ながら依頼者の方のため、不動産鑑定士を入れて、広大地評価を適用し、更正の請求を行う準備をしています。


次に貸駐車場の評価ですが、コインパーキング業者や駐車場経営業者に土地を貸しているわけではなく、被相続人がアスファルト舗装をし、月極めで貸している土地です。これも当然ながら更地評価しますよね。ところが、評価明細書を見ていると賃借権として2.5%評価減しています。


貸駐車場の賃借権2.5%???これはなんだろうということで調べました。


土地を貸している場合は、通常相続税の財産評価はその貸している賃借権相当を減額することができます。 しかし、土地の所有者が、自らその土地を駐車場経営している場合には、更地評価することになっています。なぜ賃借権相当が控除できないのかというと、土地の所有者がその土地をそのままの状態又は土地に設備を施して貸駐車場を経営することは、その土地で一定の期間、自動車を保管することを引き受けることであり、自動車を保管することを目的とする契約は、土地の利用そのものを目的とした賃貸借契約とは本質的に異なる権利関係と考えられるからです。つまり、貸駐車場は土地の賃貸借ではないということで、駐車場の利用権は、契約期間を問わず、その土地自体に及ぶものではないと考えられ、賃借権分は控除できないこととなります。

一方、コインパーキング業者や駐車場経営業者に土地を貸して、その業者の費用でそこに車庫等の施設を造ることを認めるような契約の場合には、土地の賃貸借になると考えられます。


この場合には、その土地の更地評価額から賃借権相当を控除することができます。


では、この賃借権とはいったいいくらなのかというと、賃借権の登記がされていたり、堅固な構築物が施されていたり地上権に準ずる場合とそうでない場合とで違いますが、実務上はほとんど後者です。


この場合、賃借権の残存期間に応じ、5年以下であれば2.5%、15年超だと10%相当となります。


2.5%はここからきたのでしょう。でもそもそも賃借権として控除できるのはコインパーキング業者や駐車場経営業者に土地を貸して、その業者が貸駐車場を経営する場合であり、地主さんが自ら貸駐車場を経営する場合はダメですから。


では、地主さんが管理会社を設立し、その会社がアスファルト舗装をし、駐車場経営をする場合はどうなるのでしょうか。この場合は、地主さんと管理会社との間で土地の賃貸借契約を交わしますので、賃借権の控除は可能となるでしょう。


残存15年超だと10%減額は大きいですね。1億円の土地で1,000万円評価を下げることができるわけですから。。。このスキームを少し研究します!



賃借権の残存期間 5年以下 5年超
10年以下
10年超
15年以下
15年超
割合 2.50% 5.00% 7.50% 10.00%
賃借権の残存期間 5年以下 5年超
10年以下
10年超
15年以下
15年超
割合 2.50% 5.00% 7.50% 10.00%

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